connect 2 music -30th Anniversary Mix-

TM NETWORKが大好きなFanksの音楽ブログです

#6 Major Turn-Round / TM NETWORK

こんにちは。

TM NETWORK(TMN)をテーマに送るCDレビュー、今回は'99年再始動後初のオリジナルアルバムとなる「Major Turn-Round」です。

Major Turn-Round

Major Turn-Round

「Major Turn-Round」は、20世紀最後のX'mas='00/12/25にリリースされました。'99の再始動当初はソニー系レーベル(TRUE KiSS DiSC)で活動していましたが、この先行シングル3枚「MESSAGE」「IGNITION,SEQUENCE,START」「WE ARE STARTING OVER」、そしてこのアルバムは、インディーズのRojamからの発売でした。Rojam、ロジャム、そうあのロジャム・・・。ここでの深入りは避けます。このときの発売形態がいくつかあり、詳細は忘れましたが、たしか3つくらいパターンがあって、僕も3枚買った記憶があります(苦笑)。

その後、TMのR&Cへの移籍に伴い、蔵出し音源集「キヲクトキロク」のDISC2としてリリースされました。DISC1は"蔵出し"というにはかなり微妙な出来だったので「どっちがおまけディスクだよ」と突っ込みたくなりましたが、今買うならこちらを買ったほうが多少なりともお得です。

キヲクトキロク~Major Turn-Round

キヲクトキロク~Major Turn-Round

さて、内容ですが、なにはともあれプログレ(Progressive Rock)」これに尽きます。特に、プログレ四天王といわれるバンドが活躍してた'70年代がリスペクトされています。プログレマニアだったメンバーが、TMなりのプログレを好き放題作りました、という感じです。「CAROL」「RHYTHM RED」などからもプログレのニオイはしますが、確信犯的な「Major Turn-Round」はやはり独特の色を放ってます。

なぜこの時期にTMで「'70年代プログレ」をやろうと思ったのか記憶がおぼろです。でも遅かれ早かれTMで一度はやりたいと思っていたネタではあったんでしょうね。

面白いのは、「Major Turn-Round」が世紀末が終わる直前に発売されてることです。その10年前の'90年に「世紀末」を見据えて作られたアルバム「RHYTHM RED」と対比して聴くと、世紀末に対する空気感の差みたいなものが感じ取れて、面白いです。できることなら'10に「世紀末後」のアルバムを作って欲しかったところですが・・・。

個人的には、TMのアルバムの中でも非常に好きなアルバムの一つです。再始動後では文句なく1位。最初の10年のときのわかりやすさはないけど、しっかりTMの色は出てると思います。トライアングルを感じれます。やはり目玉は30分を超える3部構成の組曲「MAJOR TURN-ROUND」です。特にボーカルなしの第2部がゾクゾクします。その他の曲の出来もかなり秀逸です。特に、ラストの木根さん作曲の「CUBE」はとても好きですね。あとは、歌詞が全て小室みつ子さんであることも大きいと思います。やっぱり景色が浮かんでくるし安らげます。「We are starting over」とか過去の曲とのつながりをいろいろと想起させてくれるのも小室みつ子さんだからこそできる芸当です。

僕は、「Major Turn-Round」を引っさげたライブにも参戦しましたが、なんとそのライブは'00/12/5に行われたのでした。つまり、アルバム発売前だったんですね。発売前のアルバムをライブで経験するというのは後にも先にもこれだけの気がします。しかもTMのライブは、終了ライブ以来でしたから、非常に興奮して楽しみにしてました。組曲「Major Turn-Round」のときの会場の空気は正直微妙でしたが(苦笑)、メンバーのプレイヤーとしての姿がとても印象的でした。さりげなくセットリストに入ってた「Still Love Her」「ELECTRIC PROPHET」にはやっぱり感動したし、アンコールの「Get Wild」「TIME TO COUNT DOWN」は本編以上の盛り上がりでした(笑)。スクリーンとCGを使った演出もさすがTMらしいなあと感心しましたね。CD購入後はこのときの感動をトレースしながら聴く、という面白い経験をさせてもらいました。後に発売されたDVD2枚(本編+アンコールという分け方に当時は憤慨したものです)も買いましたが、最近なんだかえらく高額で取引されてるようで・・・。そういえば、アンコールの小室さんの映像がすさまじく質が悪かったな。

LIVE TOUR Major Turn-Round 1 [DVD]

LIVE TOUR Major Turn-Round 1 [DVD]

このアルバムを聴くまでに、僕は小室さん発言の影響で深遠なるプログレの世界に足を踏み入れたくちです(といっても最近はめっきりご無沙汰ですが・・・)。だから30分という曲も抵抗なく聴けたかなと思いますね。できることなら、このアルバムと合わせてでもよいので、'70年代プログレのいくつかを聴いてみると面白いと思います。今回は、その中のおすすめを2枚紹介します。好き嫌いがかなり分かれますので、初の人はレンタルしてみるのが無難です。最初はたぶん「わけわからん」と思います(笑)。

1枚めは、Yes「危機」(原題:Close to the Edge)です。

危機

危機

「Major Turn-Round」のジャケットがこれのジャケットのパクリというのは有名ですね。プログレの中でも名盤といわれてます。余力があれば「こわれもの」(原題:fragile)もおすすめします。昔、某プログレ紹介サイト(今なくなったみたい)に「プレグレを聴くには"基礎体力"、"抵抗力"が必要」ということで、『「こわれもの」をしばらく毎日聴きまくれ』みたいなことが書いてあり、それに従ったというおばかな思い出があります(笑)。

2枚目は、Emerson, Lake & Palmer(ELP)の「恐怖の頭脳改革」(原題:Brain Salad Surgery)です。

恐怖の頭脳改革(K2HD/紙ジャケット仕様)

恐怖の頭脳改革(K2HD/紙ジャケット仕様)

H・R・ギーガーのジャケットは今でも強烈です。あとプログレの邦訳は面白いというかマニアックというか・・・。まあ、こういう部分から入れない人もゼロではない気もしますが、やっぱり音楽は聴いてなんぼですので、まずは聴いてみてください。小室さん発言にELP、そしてキーボードのキース・エマーソンの名はよく出てきてたと思いますが、 キース・エマーソンがいなかったら、今の小室さんとは似て非なる小室さんがいたといってもいいんでしょうね。僕はDVDで一枚だけELP(ライブ盤)を持ってますが、そのプレイを見て逆デジャブっていうんでしょうか、ああこれの影響だったのねというのがよくわかりました。で「恐怖の頭脳改革」ですが、特に悪の教典#9」は、3部構成とその内容が組曲「MAJOR TURN-ROUND」に色濃く影響を与えてます。似たようなフレーズも伺えます。

【参考】

Wikipedia
Major Turn-Round
TM NETWORK TOUR MAJOR TURN-ROUND Supported by ROJAM.COMLIVE TOUR Major Turn-Round
キヲクトキロク 〜 Major Turn-Round

【第7回予告】

木根バラの名曲の一つ「Fool On The Planet」を取り上げます。