connect 2 music -30th Anniversary Mix-

TM NETWORKが大好きなFanksの音楽ブログです

#38 EXPO / TMN

こんにちは。

そして、2011年1回目ってことで、あけましておめでとうございます。
ゆるゆる更新していきますが、よろしくお願いします。

2011年1回目を飾るのは、今年2011年9月で発売から20周年!ということで、TMNのオリジナルアルバム「EXPO」を取り上げたいと思います。

EXPO

EXPO

「EXPO」の発売日は、1991年9月5日

はあ、あれから20年ですかあ。みんな、歳とるわけだ(苦笑)あなたはそのとき何歳でしたか?

前にも書いたんですが、このアルバムは僕が最初に買ったTMのアルバムです。だから、とりわけ思い入れは強いですし、聴いた回数は僕が持ってる全ての音楽CDの中でNo.1といってもいいかもしれません。それくらい思い出のあるアルバムです。

20年も経つのに、このアルバムの音は、全くといっていいほど色褪せてません。TMを新しく知った人にもぜひ聴いて欲しいアルバムの一つです。

「EXPO」は、「RHYTHM RED」に続くTMNの2枚目のアルバムであり、TMN名義として最後のオリジナルアルバムでもあります。

本作は、「EXPO」の名のとおり、1曲を1つのパビリオンに見立てて、ハウス、ラテン、ロック、フォーク、HR/HM、J-POP、プログレなど様々なジャンルのパビリオンが並び立つ「音の博覧会」をイメージして作られたとされてます。フォーク、HR/HMはお遊びって感じですけどね。

アルバムタイトルを考えた小室さんは、当時この「EXPO」っていうタイトルをえらく気に入ってて、かなり自画自賛してましたっけ(笑)

聴いたことない人は、雑多で散漫なアルバムと思われるかもしれません。たしかに曲ごとにバラエティに富んではいますが、トータルでは不思議と結構統一感を感じるんですよね。本作では、「月とピアノ」という裏テーマ的なものが設定されているんですが、統一感を覚えるカギは「ピアノ」の音色のせいかもしれない。「月とピアノ」は歌詞にもそこかしこにちりばめられいて、こういうギミックはTM(というより小室さん)らしいなあと思います。「EXPO」は、TMの数あるアルバムの中で、音的にも内容的にも、最もクールでスマートなアルバムといってもいい感じです。曲順も考え尽くされていて、見事だと思います。

「EXPO」は、ときに「TMの集大成的なアルバム」といわれることもあります。その理由は、ノンジャンル的側面の他に、木根さん、小室さんがリードヴォーカルを務める曲が収録されている点もあるでしょう。3人のリードヴォーカル曲が収録されたオリジナルアルバムは現在も「EXPO」をおいて他にありません。

「3人のリードヴォーカル曲が収録」というのは、その後の活動を示唆している点で、今振り返っても非常に意味深です。このアルバム制作時に、「EXPO」後のTMの活動停止、個々のソロ活動始動、さらに「TMN終了」まで明確に意識していたとは思えないんですが、結果的にそのとおりになったことを考えると、奇妙な因果を感じさせます(実際は、「終了」しないでニューアルバムを出すというシナリオもあったようですけどね)。

それでは、収録された全12曲の寸評を書いて締めたいと思います。

#1 EXPO
「リバース再生すると3人のメッセージが聴ける」というタイムカプセル的なインスト。でもいまだに何をいっているのかよくわからない(苦笑) たいしたこと話してないみたいですけどね。ヤラレタ(笑)

# 2 We Love The Earth (Ooh,Ah,Ah,Mix)
シングル曲のハウスサウンドリミックス。TMのリミックス曲の中では屈指の出来。詳しくは、以前のエントリを参照ください。

# 3 Love Train
いわずと知れたTM史上最も売れたシングルをオリジナルそのままに収録。小室さん曰く「名刺代わり」。詳しくは、以前のエントリを参照ください。

#4  Just Like Paradise
全編英語詞&ハウス/クラブサウンド。「Rhythm Red Beat Black Ver2.0」と同じ手法だが、クラブサウンドをより突き詰めた感じで、異色感はこちらの曲の方が上。ある意味、アルバムの中で一番TMっぽくない。ウツのいやらしいライブパフォーマンスが印象的(笑)。DVD「TMN EXPO ARENA」をご覧あれ。

#5  Jean Was Lonely
作詞の段階では、実は「ジーン」じゃなくて「ジェーン」だった!と後日知ってびっくりしたラテン系の曲。でも「ジェーン」じゃ歌いにくいなあ。非シングル曲にもかかわらず、ファン投票によるベストアルバム「Welcome to the FANKS!」に収録されており、この曲一押しの自分としては、同じファンがいることを知って、かなり嬉しかった。こちらもライブパフォーマンスが必見。ライブアレンジでは特に、ラスサビ手前の間奏〜ラストに至るまでの高揚感がたまらない。

#6 Crazy For You
「クラブサウンドのインスト+トレンディードラマばりの男女の会話+伊集院光の笑い声+外国人のコーラス」という文字で書いたら、どうにもわけわかんない曲。

TM史上最大の異色作であり、ある意味、TM史上最もエロい曲。寒い会話を聴きたくない人は、2009年にめでたくリリースされた「SINGLES2」のボーナスディスクに収録された会話なしバージョンをどうぞ。

男性役はウツ、女性役は一般公募の素人の女性。歌詞(脚本)は、脚本家の坂本裕二さん。なお、坂本さんは前作「RHYTHM RED」からのお付き合い。本作でも小室さん、木根さん以外の作詞は、全て坂本さん。アルバム全体のクールな印象は坂本さんの作詞によるところも大きい。

#7 月の河/I Hate Folk
フォークパビリオンの「月の河」(右音声)とメタルパビリオンの「I Hate Folk」(左音声)を行ったり来たりをステレオで交互に入れ替えて表現したお遊び的な一曲。「Crazy For You」の余韻をリセットして、アルバム後半に突入するためのinterludeともいえる。

「I Hate Folk」は、木根さんのシャウトとウツのベースが聴きどころ(言われないとわからない 笑)自分の音楽歴を振りかえると、これがメタルとの「未知との遭遇」だったのかもしれないw

#8 あの夏を忘れない
当時メンバーが「アイドルのトシちゃん(田原俊彦)が歌ってもいい」といっていた曲。それくらいポップ、ということだろうけど、イントロが1分半近くある点は、なんともTMらしく、TV/ラジオ泣かせの一曲。'93発売のリミックスベストアルバム「CLASSIX1」では、オケを大胆に薄くしたバージョンが収録されているが、それを聴くとウツのヴォーカルのドライブ感に驚く。当時のフジテレビの単発ドラマ主題歌として採用され、他のアルバム曲もドラマ内で流れた(はず、すいません、記憶がおぼろです)

#9 大地の物語
木根バラ。歌詞が小室さん。「Love Train」「We love the EARTH」と共に当時のカメリアのCM曲。CMに使われたTMの木根バラはいまだこの曲のみ? 「♪瞳には青い空 左手に風が吹き 君の右手には僕の思いを」と、するっと思い出せる名曲。小室さんは「凛とした女性」をイメージして書いたとか。木根バラというと「TMネットワーク」を思い出す曲が多いが、この曲は「TMN」という感じ。

#10 月はピアノに誘われて
#9に続いての木根バラは、木根さん自身がヴォーカルをとった曲。裏テーマのキーワードをタイトルとする曲であり、同時期に、同名の小説を木根さん自身が執筆している。ストリングスの音が心地いい。

#11 Tomorrow Made New
頭文字をとると「TMN」。この手のお遊びは、浅倉プロデュースのT.M.Rに継承されている模様。曲としては、RHYTHM REDツアーのロックナンバー「Thrill Mad Natural」のプログレアレンジ。オルガンがよりフィーチャされている。歌詞も書き直されている。歌詞には、今回のテーマである「月とピアノ」や、TMの2ndアルバムの邦題でもあり、SF小説の名作でもある「幼年期の終わり」という言葉が出てくる。また、タイトルを文字どおり訳すと、過去と未来のパラドックスを思わせ、タイムマシンを想起させる。そういう点で、TMネットワークTMNが融合したともいえるSF感漂う一曲。

#12 Think Of Earth
アルバムのラストを飾るのは、小室さんのリードヴォーカル曲。といっても曲の大半は、ジャケットのイメージが思い浮かぶような、スペーシーでドラマティックなインスト。後半にちょろっと歌っている(笑) この曲の小室ヴォーカルは、幾多の小室ヴォーカル曲の中でも秀逸の出来。ウツと木根さんも雑誌インタビューでたしか褒めていた。加工されているのかは不明だけど、、、小室ヴォーカルに抵抗ある人でも許容してもらえるはず(笑) これに比べて「V2」はなぜああなっちゃったのか(爆)

アルバムと合わせてこちら↓のDVDもぜひ! ただ、歌詞間違いは、笑って許してね(byウツ) 

EXPO ARENA FINAL [DVD]

EXPO ARENA FINAL [DVD]

最初の映像化(VHS)は「終了」時の限定BOX「TMN GROOVE GEAR」に同梱。その後、晴れてDVDとして単品リリース。終了前にパッケージ化されなかったのは、歌詞間違いが多すぎるから!?という気がしてくるほど。「Rhythm Red Beat Black」なんて、かなりグダグダです(笑) いろいろ編集されている箇所も多く、「ベストなパッケージ」と言い難いけど、今となっては貴重な映像作品。特にダンスパフォーマンスは圧巻。恒例の過去曲のリアレンジは「DON'T LET ME CRY」が必聴の出来。