connect 2 music -30th Anniversary Mix-

TM NETWORKが大好きなFanksの音楽ブログです

#27 detour / 小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登

こんにちは。

今日は、TMのメンバー3人の連名作品である「detour」です。
「detour」は昨日のレビューで触れたように、1996年12月5日に発売された小室さん制作のプレイステーション(PS)専用ゲームソフトgaball screen」のクリア特典の曲でした。ゲーム内にはPVと共に収録されてます。

その後、同年12月12日に発売されたTM NETWORK-TMNに至る全シングルを収録した2枚組みベストアルバム「TIME CAPSULEにもボーナストラックとして収録されました。「detour」を聴けるCDは、現在でもこのベストアルバムを除いては存在しません。ライブでもいまだに演奏されたことはないはずです。

まず、「gaball screen」について。小室さんはPS発売('94/12/3)前から、PSのデモ機の性能を見たことがあったようで、ソフト開発を考えていたというのを雑誌で読んだ記憶があります。PSには、SMEが深く関わっていたのでそのつてでしょう。そのわりに、発売までに2年もかかったのは、おそらく、TKプロデュースブームのせいだと思いますね。それがなければ、もう少し早く動きがあったかもしれません。

gaball screen」(ガボールスクリーン)といえば、知る人ぞ知る「CAROL」に登場する架空のバンド。このソフトの説明書冒頭に木根さんがメッセージを寄せていました。

ゲーム内容を書くと、ポリゴンで描かれた各ステージから隠された音の断片を探し出していくというものでした。音を全て見つけると各ステージごとに、後述するアーティストのPVが見れました。そして全てのステージをクリアすると、ボーナスとして「detour」のPVが見れておわり、という流れ。

しかし、はっきりいって、ゲームとしても、見た目的にも、非常にしょぼいです(笑)。全てクリアするのに、2時間程度かな。僕は買ったその日にさくっとクリアして、その後、1時間くらいずっと「detour」のPVをリピートしてたっけ。気になる人は手に入れてみてください。中古で非常にお安く手に入りますので(笑)。

収録されたアーティストと曲は以下のとおりです。

仲間由紀恵」というのが、今見るとびっくりですよね。まず歌手だった、というのに驚く人もいるでしょうね。久保こーじさんプロデュースでしたが、なかなか厳しかったみたい。

いわゆる小室系アーティスト、しかもソニー系だけしか収録されていないってことで、正確な売り上げは知りませんが、かなりしょっぱい数字だったような気がします。いくらTKブームといっても、さすがにこの内容じゃ厳しいでしょうね。

小室さんとしては、音楽の新しいプロモーションの方法として、映像・ゲームとの融合を考え、その模索した結果の一つが「gaball screen」だったのかもしれないですね。結果としては失敗だったかもしれないけど、「常に何か新しいことをする」という小室さん的アプローチはこのときはまだ健在でした。

後年、小室さんは、DJ DRAGON、CGクリエイターの原田大三郎さんとテクノ・トランスユニットGABALLを結成します。「gaball screen」での「音楽と映像の融合」という挑戦は「GABALL」での活動に少なからず受け継がれます。気になる人は、「GABALL」の「UPGRADED」という作品を探して、DVDの映像を見てみてください。ただ、事前にアルバム「REPRESENT 01」を聴いてほしい。

例の如く前置きが長くなりすぎましたが、ここからは「detour」について。

まず、TM名義でありません。まあ、これを一般の方に説明するのは非常に難しい(笑)。「TM NETWORKTMNの何が違うの?」と同じ類の問題ですから。にもかかわらず、これが「TIME CAPSULE」にさらっと収録されてしまうわけですから、さらに訳わからないでしょう。

作曲は小室さん。ミディアムナンバーですが、音は非常に薄いです。小室コーラスの音量が、TM時代よりやはり大きめです(笑)。

作詞は、前田たかひろさんです。「detour」とは、「遠回り、回り道」という意味。今の活動は、3人がいっしょにTMとして活動するためにわざわざ回り道してる、という意味なんでしょうか。それとも、3人それぞれ回り道してるせいで、お互い離れちゃったね、ということを歌ってるのかな。聴く人それぞれどのようにでも解釈できる緩い歌詞になってます。

僕は、当時、この頃の3人の距離感を恋愛に置き換えた感じの歌詞に思えました。3人の距離というより、小室さんと他二人の距離と言った方がいいかな。そういうのがよく伝わってくる感じです。ただ、それゆえ、ライブではやりにくい曲ですよね。いまだに演奏されないのもわかる気がします。

「遠くなったね 君はもう遠すぎて」
この「君」は小室さんかな。

「もう行くよ このまま 君を待たないで」
これは小室さんのセリフ?

「奇跡は信じないで 偶然がいいね」
わかるようでわからない感じですが、時が来たらTM再始動があるかも、というのを匂わせます。

PVは、ファンタジーっぽい雰囲気にあふれてて、TM NETWORK期を思い起こさせます。ただ、違和感を覚えるのは、まず小室さんが真ん中にいる点。あと、ウツが歌ってない(口を動かしてない)。まるで他人事みたいに・・・。3人いっしょに映ってるけど、なんか距離感というか白けた感じを受けるのは気のせいでしょうか。

では、見たことない人のために、「detour」です。

この動画、非常にうまく編集してあって、まず、TK MUSIC CLAMPから始まるあたりがにくいです。これはたぶん'96年4月の放送じゃないかな。小室さん、顔の幅が今の半分くらいだ(笑)。それに続いて、「gaball screen」のCM。そして、「detour」という流れになってます。