connect 2 music -30th Anniversary Mix-

TM NETWORKが大好きなFanksの音楽ブログです

#5 ELECTRIC PROPHET -電気じかけの予言者- / TM NETWORK

こんにちは。

TM NETWORK(TMN)をテーマに送るCDレビュー、今回はエレプロの愛称でファンに長く親しまれている「ELECTRIC PROPHET -電気じかけの予言者-」です。
この曲は、'04年ベスト盤「Welcome to the FANKS!」発売にあたってのファン投票でもGet Wildを押さえて見事1位を獲得しました。

#1に書いたように、僕がTMにはまり出したのは、'89から'90あたりにかけてです。というわけで、エレプロが収録されたミニアルバム「TWINKLE NIGHT」('85年リリース)はリアルタイムで聴いていません。なお、Wikipediaによると「TWINKLE NIGHT」のオリコン最高位はなんと2位だそうで・・・。ウソーンって感じですが・・・。

ちょっとファンになりたての頃の話をすると、当時学生の僕は気軽にCDを買い揃えることはできず、悲しいかな身近に同じファンもなかなかいなかったので(なぜかユニコーンとかBOOWYばっかりで・・・泣)、まずやったことは「雑誌でTMを知る」ことでした。今みたいにネット検索もできない時代なので、頼るのは音楽雑誌のみという状況でした。当時よく読んでいたのは「GB」「What's in」「CDデータ」ですかね。「PATi PATi」は版が大きめ、写真が多めで女性ファン向けっぽく、ちょっと敬遠してたかなぁ。

特に、忘れられない一冊があって、それは、ちょうど「EXPO」のツアー中の'91〜'92にかけてあたりに発売されたGBの創刊○周年(○は失念)の特別号です。その中にB'z、ユニコーン米米クラブ、そして、TMの4アーティストについてのGBの過去記事がほぼ全て収録されていました。TMについては、デビュー直前のあたりからEXPOツアーレポートくらいまでが収められていて、それをもう隅から隅まで何度も読んでました。だから「音」はまだ知らないけど、どういう時期にどういうコンセプトで作られた曲やアルバムなのかは知っているという感じでした。だから当時は(今でも?笑)、すごく頭でっかち、なファンでした。レビューがウンチクっぽくなってしまうはこのせいかもしれません(苦笑)。ご容赦ください。

というわけで、エレプロについても「初期のライブで必ず演奏された名曲」で、ファンに愛されている曲ということは知っていました。初めて聴いたのはたしかラジオで一部だけだったと思うんですが、よく覚えてません。それからCDを手に入れ、この曲の良さを実感できるようになって来たかなあという頃、あの日=1994.5.18@東京ドームTMN 4001 DAYS GROOVE」を迎えました。僕は、5.18、5.19共にあの場で同じ時間を3人とファンのみんなで共有できた幸せ者です。僕にとって初のTMのライブだったあの2日間の記憶を生涯忘れることはないでしょう。

「エレプロ」は5.18のラストに演奏されました。昔からのファンに比べたらエレプロ歴は浅かったわけですが、あの日あの時あの場所で聴いたときの感想は「心が震えた」というのが一番しっくりくるでしょうか。「エレプロ」や一つ前のSelf Controlの前くらいまではTM初ライブということで「終了」だけど狂喜状態でしたが、そこからはもう泣きモードです。特に、エレプロは重かったです。「やっと生で聴けた」という喜び、感動と「これでTMが終わってしまう」という悲しみが入り乱れて、終わったときは呆然としてました。その後リリースされたライブ盤CDTMN final live LAST GROOVE 5.18」にも当然収録されましたが、聴きまくりました。ウツのMCを再現できるくらい(笑)。

そのときの映像です。感動再び。

・・・とまあ、思い出話はこのくらいにして、曲の話に移ると、まず特長的なのは8分以上の長さでしょうか。ただ聴いている分にはそれほど長いとは感じないですけどね。この長さゆえ、「プログレ」っぽさを感じさせます。現に、再始動後の'00〜'01にかけて行われたプログレをフィーチャした「Major Turn-Round」ツアーでは、アルバム「Major Turn-Round」の曲と共にセットリストに組み込まれ、5.18以来ぶりにライブで演奏されました。ちなみに僕はこのツアーに参戦できました。これまた感動、でしたね。

たぶんDVDの映像。持ってますけど久々に見ました(汗)

あとは、ウツの歌い方ですね。他のTMの曲と違ってかなり独特で異彩を放っています。わざとメロディーをはずして歌ったり、語り口調っぽく歌ったりするときがあって、フォークソングっぽい感じを受けます。ここは人により違和感を覚えるかもしれません。僕も最初はちょっと気になりましたが、今では「別に」って感じです。むしろこの曲は「こうじゃないとありえない」かな。

なんといっても印象的なのは、小室さん作詞の歌詞ではないでしょうか。日常と非日常が入り混じった時を越えるSFファンタジー的な世界観と心情を吐露するようなダイレクトなメッセージ。次のあたりは、いつ聴いてもぐっときます。

♪君の School Days 大切な時だよ
 君の Private Time わかっているさ
 君の Friends of Yours 大切なものだよ
 君の Dad and Mam 素敵な大人さ

 何もすてるものはない
 何もこわすものもないさ
 もしも二人暮らし出しても
 今夜のような夢を見せてあげるよ

 君だけが間違いじゃない
 君だけが不安だらけじゃない
 何もかも頼っておくれ
 Maybe I Can Control Your Mind

たしか何かの本で、この歌詞を手書きした直筆メモみたいなものを見たことがあるんですが、これを思いつくままさらさらっと書いたのだとしたら、やっぱり非凡だなと思いますね。TMN期の歌詞のような優等生的な洗練さはないものの、逆にほとばしるものを感じます。一見理詰めなようで実は全て感覚的、天才とはこういう人のことをいうんですかね。

初めて聴くと、冒頭の早口のあたりは意味不明と思いますが、歌詞カードを見てそれがギリシャのあたりの地中海の島々の名前(=Limnos, Hios, Samas, Skiros, Milos Island)だとわかると、ふっと美しい絵が浮かんできます(行ったことありませんけどイメージで・・)。

「電気じかけの予言者」とは造語でしょうが、SFというくくりで考えると「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」「時計じかけのオレンジ」なんかを連想してしまいます。ちょっと強引ですね(苦笑)。どちらも有名ですが、SFマニアの小室さんですから、何かしら影響を受けたのかなあ・・・。ホントの所は僕も知りません。

【参考】
Wikipedia
TWINKLE NIGHT

【第6回予告】

プログレつながりで、再始動後初のオリジナルアルバムである「Major Turn-Round」を取り上げます。