connect 2 music -30th Anniversary Mix-

TM NETWORKが大好きなFanksの音楽ブログです

#2 一途な恋 / TMN

TM NETWORK(TMN)をテーマに送るCDレビュー、今回は1993年9月29日リリースの「一途な恋」です。

「685日、待った。」この雑誌広告のキャッチコピー、いまでも忘れもしません。どれだけこのシングルを待ちわびて、そして、どれだけ聴きまくったことか・・・。

アルバム「EXPO」を引っさげてのツアー終了後('92年前半)、TMNのメンバーはソロ活動へ移行してしまいます。この「一途な恋」は、CDリリースとしては1991年リリースのシングル「WILD HEAVEN」以来であり、TMN再始動ののろしとなるシングルでした。シングル「WILD HEAVEN」の後は、'92年8月、'93年8月と一年おきにベスト盤的アルバム「COLOSSEUM I」「同II」「CLASSIX1」「同2」が発売されただけでした。まあ、僕の当時のTM歴からすると、ベストというより、新作に近かったんですけど(汗)。でもやはり、「一途な恋」発売の知らせを聞いて、新しいTMの音が聴けるとわかったときは、ほんとに嬉しかったですね。学生時代の2年弱ってものすごく長かったです。いやあ、あの頃は純粋だったなあ・・・。

そういえば、「WILD HEAVEN」発売以来、「685」日待っての発売だったってのは本当に正しかったんだろうか?いまだに確認してません。指折り確認した奇特な方はいらっしゃるでしょうか(笑)。

この曲、ブティックJOYのCMソングでした。でもたしか自分はこれをCMで聴いたことはなかったです。地方だったせいでしょうか(泣)。またシングル自体のCMも見たことなくて、それをTMN終了時のビデオ「DECADE 1984-1994」で見たときは、結構嬉しかった記憶があります。

初回版のジャケットは、折りたたみ式になってました。上のジャケット写真でいうと、下半分に同じ面積分の続きがあります。もやがかかったような透過率が低いスクリーンの向こうに3人がぼんやり見えるだけという絵です。木根さんがちょっと背後霊っぽいですが・・・(笑)。今このジャケットを振り返ると、このときすでに3人はファンの手が届かないところにいる、又は、これからそうなる=半年後の'94年4月21日の「終了」を暗示してたのかなという気がしてきます。もしくは、メンバー3人がTMに抱く迷い=暗中模索状態=霧の中を彷徨ってる状態というのを意味していたのかもしれません。「終了」なんて、ほんとこのとき、微塵も思ってませんでした。これは「Nights of the Knife」の回(予定)で触れます。

「一途な恋」発売後の10月から、TMとしては久方ぶりとなるFMラジオ番組TMN UNITED」(たしか土曜 21:00〜22:00)がスタートしました。3人がいっしょに出演して、しかも小室さんがメインで番組を進行するというのは、かなり異例でした。終了直前までの半年間、この番組がほんと楽しみでした。で、この番組冒頭は「一途な恋」のインストから始まってました。このインストがまたいいんですよ。「インストだけでも楽しめる」、TMの好きな点の一つです。悲しいのは、このインストはCDシングルでしかいまだに聴けないってことです。リマスタリングしてインストベストとか出して欲しいんですけど。興味ある人は、中古でぜひ。

「一途な恋」の音ですが、ほんとかっこよくて今でも好きです。どうやってこんなオケ作ったんだろうというくらいです。ただ、「一途な恋」発売時点ですでにtrfが始動していて、そこでの実験=テクノを踏まえての音になるかと思いきや、そうはならなかったです(ただリミックスアルバム「CLASSIX」では小室さん自らの手でTM×テクノの試みはなされてます)。小室さんが当時一番試したかったであろう新しい音を「TM」で試せない、このあたりに小室さんの「TM」に対する思い、もどかしさ、迷いを感じてしまいます。ただ、TMでテクノ路線を突っ走るというのはやらなくて正解だったとは思いますけどね。

カラオケを意識したなじみやすいメロディーに、かっこいいオケというのが当時の小室さんのアプローチでした。これは'91年の「Love Train」でも意識的に試みられ、TKブーム時代にまで続くことですが、それにしてはこの曲は異常に難しすぎます(苦笑)。ウツでさえ「ブレスがなくて無理」というくらいで、いまだにライブでは封印されてます。さらに、転調が4回もあって、そのたびにキーが上がっていくんです。とてつもないです・・・。僕はカラオケで試したことありますが、まあ、きっついですね。でもキーが上がっていくのはちょっと気持ちよかったりして・・・。

タイトルの「一途な恋」は、今見ても妙に浮いたタイトルですが、当時の小室さんのエッセイ「告白は踊る」にはこれについていろいろ書かれていました。こまかな表現は忘れましたが、その当時の世相、社会の雰囲気、気分を切り取った言葉だった、とかいうニュアンスのことが書かれてたと思います。あとは一途な「愛」ではなく「恋」だともたしか書いてたはずです。人が何か行動を起こすとき、まだ見ぬ誰かとの出会いを求めているとき、そんなときすでに「一途な恋」は始まってる、みたいな言葉で締めくくられていたと思います。

このシングルのC/Wには、インストに加えて、「ANOTHER MATERIAL」というリミックス版も収められていました。よりクラブっぽい音になってます。これはCDシングル以外では、昨年発売されたベスト盤「THE SINGLES 2」のDISC2で聴くことができます。

さらに、この曲には、第3形態「3rd Mix」が存在します。終了時発売の限定BOX「GROOVE GEAR」(CD3枚+VHS+Tシャツ+キーホルダー+ブックレット収録でたしか5万セット限定)のCDに収録されました。その後、20周年時の限定CD-BOX「WORLD HERITAGE」にそのCD3枚が復刻されてます。今オークションとかでいくらで買えるかわかりませんが、この「3rd Mix」がこれまたヒジョーにかっこいいので、機会があればぜひ聴いて欲しい一品です。この前リリースされた「THE SINGLES 2」に「ANOTHER MATERIAL」と合わせて収録してくれてもよかったと思うんですけどね、SONYはあこぎです(苦笑)。

・・・軽くで済ませようと思ったんですが、きりが無いのでこの辺でやめます。このペースだと3日坊主で終わりそうなので・・・。

それでは、「一途な恋」聴いてください。どうぞ〜!

【参考】

Wikipedia
一途な恋
WILD HEAVEN
TMN COLOSSEUM
CLASSIX

【第3回予告】

TM史上最大の売り上げを記録し、「一途な恋」の直系のご先祖様ともいえるシングル「Love Train」です。